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Synology(NAS)でWordPressサイト・ファイル保存サーバを構築・公開する方法

 

はじめに:なぜNASでWordPress公開か

NAS(Network Attached Storage)は、家庭内ネットワークやオフィス内LANに接続してファイルサーバーとして使える機器ですが、近年ではその機能が大幅に進化し、簡易的なWebサーバーとしても使えるようになっています。特にSynology製のDiskStationシリーズは、直感的なインターフェース「DSM(DiskStation Manager)」を備え、専門知識がなくてもWebサーバー、WordPress、データベース、アクセス管理、バックアップなどが構築できるのが大きな魅力です。

中でも、コストパフォーマンスに優れた「DS223j」は、2ベイ構成でRAID1にも対応可能なホーム・スモールオフィス向けNASとして人気です。


 

機材と事前準備

必要な機器

  • Synology DiskStation DS223j 本体
  • NAS用HDD(1~2台)
  • インターネット回線 + ルータ(ポートフォワーディング設定可能なもの)
  • WindowsまたはMacのPC(初期設定用)

HDDの選定ポイント

  • Seagate IronWolf または Western Digital Red Plus が定番です。
    • 【IronWolf】は耐久性・保証重視。書き込み回数や温度管理などのNAS向け機能が充実。
    • 【WD Red Plus】は静音性・価格面で優秀。ホーム環境での長期運用向き。

例:

  • IronWolf 4TB:5年保証、NAS対応振動センサー付き
  • Red Plus 4TB:3年保証、静かで発熱も少ない

※RAID1(ミラー)構成ならHDD2台同型必須。シングル運用であれば1台でも可能。


DSMの初期セットアップ方法

  1. NASをLANケーブルでルータに接続し、電源ON
  2. PCから http://find.synology.com にアクセスし、自動検出
  3. DSM(OS)をインストール
  4. 管理アカウントとNAS名を設定
  5. HDDの初期化とストレージプール設定

Web Station・PHP・DB環境の構築

  1. パッケージセンターから以下をインストール:
    • Web Station
    • MariaDB 10(MySQL互換DB)
    • PHP(推奨はPHP 8.x)
  2. Web Stationで仮想ホストの設定
    • ドキュメントルートを「/web/wordpress」などに設定
  3. MariaDBでWordPress用データベースとユーザーを作成

WordPressのインストールと初期設定

  1. WordPress公式サイトからzipをダウンロード
  2. /web/ 配下に「wordpress」フォルダを作成し、解凍したファイルをアップロード
  3. ブラウザから http://NAS_IP/wordpress にアクセス
  4. 初期設定画面でDB名、ユーザー、パスワードを入力
  5. サイトタイトル、管理者ユーザーなどを入力し、インストール完了

外部公開の設定(セキュリティ配慮)

  • ルータ側でHTTPポート(80番)とHTTPSポート(443番)を転送設定(ポートフォワーディング)
  • 固定IPがない場合は、Synology QuickConnectDDNSで代替
  • 例:https://xxxx.synology.me/wordpress でアクセス可能に

メディア大量保存・社内外アクセスのメリット

  • WordPressのメディアフォルダに写真・動画を直接アップロード可能
  • HDD容量次第で数TB〜数十TBの下書き・非公開データを保存可能
  • NASユーザーアカウントに閲覧権限を割り当てれば、社外からも安全にアクセス可能
  • コンテンツ作成者とレビュー担当者が離れていても、ファイルをリアルタイムに共有・管理可能

ハードディスク選定:IronWolf vs WD Red Plus

比較項目IronWolfWD Red Plus
保証期間5年3年
回転数7200rpm5400rpm
耐久性高(常時稼働に最適)中(ホーム用途向け)
静音性やや騒音あり非常に静か
対応RAIDRAID, NAS最適化RAID, NAS最適化

両者ともDSMとの相性もよく、どちらを選んでも問題ありませんが、稼働音を抑えたいならRed Plus耐久性重視ならIronWolfをおすすめします。


セキュリティ対策の実装

  • DSMにログインして、以下を設定:
    • 管理画面2段階認証(OTP)
    • 外部アクセスのログ記録
    • セキュリティアドバイザー実行
  • WordPress側では:
    • Loginizerなどのログイン制限プラグイン
    • 自動アップデートの有効化
    • CloudflareなどのWAF連携も可能

メリット・デメリット詳細

メリット

  • 大量の動画・写真などをドラフト状態で保存できる
  • 自社完結のWordPress環境を構築でき、月額サーバー費用が不要
  • DSMユーザー管理により社外からの安全なアクセス管理が可能
  • RAID構成によりデータの冗長性と安全性を確保可能
  • DSMのバックアップ機能により自動バックアップも容易

デメリット

  • 初期設定がやや複雑(特にネットワークとセキュリティ)
  • 停電やHDD障害への備えが自己責任
  • レンタルサーバーと比較するとアクセススピードや安定性はやや劣る
  • 自社管理のため、保守・監視の知識が必要

まとめ:運用上の次ステップ

DS223jを活用したWordPress構築は、中長期的に見れば非常に経済的かつ柔軟なWebサイト運用方法です。

特に、M&A情報発信や専門メディア、製品発表など、下書き段階で大量メディアを扱うチームにはうってつけです。ログイン制御と容量の両立を図りながら、低コストで内製環境を実現しましょう。

必要に応じて、さらにセキュリティや高速化の設定(キャッシュ、CDN)など、次の段階に進めるとより安心な運用が可能です。


※このガイドでは、IPアドレスやルータ設定の詳細は省略しています。セキュリティ保護のため、各環境に応じて慎重に設計してください。

サーバやWordpressのセキュリティや運用に懸念がある場合はお気軽にご相談ください。

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