Synology(NAS)でWordPressサイト・ファイル保存サーバを構築・公開する方法 2025.09.08 目次1 はじめに:なぜNASでWordPress公開か2 機材と事前準備3 DSMの初期セットアップ方法4 Web Station・PHP・DB環境の構築5 WordPressのインストールと初期設定6 外部公開の設定(セキュリティ配慮)7 メディア大量保存・社内外アクセスのメリット8 ハードディスク選定:IronWolf vs WD Red Plus9 セキュリティ対策の実装10 メリット・デメリット詳細11 まとめ:運用上の次ステップはじめに:なぜNASでWordPress公開かNAS(Network Attached Storage)は、家庭内ネットワークやオフィス内LANに接続してファイルサーバーとして使える機器ですが、近年ではその機能が大幅に進化し、簡易的なWebサーバーとしても使えるようになっています。特にSynology製のDiskStationシリーズは、直感的なインターフェース「DSM(DiskStation Manager)」を備え、専門知識がなくてもWebサーバー、WordPress、データベース、アクセス管理、バックアップなどが構築できるのが大きな魅力です。中でも、コストパフォーマンスに優れた「DS223j」は、2ベイ構成でRAID1にも対応可能なホーム・スモールオフィス向けNASとして人気です。 機材と事前準備必要な機器Synology DiskStation DS223j 本体NAS用HDD(1~2台)インターネット回線 + ルータ(ポートフォワーディング設定可能なもの)WindowsまたはMacのPC(初期設定用)HDDの選定ポイントSeagate IronWolf または Western Digital Red Plus が定番です。【IronWolf】は耐久性・保証重視。書き込み回数や温度管理などのNAS向け機能が充実。【WD Red Plus】は静音性・価格面で優秀。ホーム環境での長期運用向き。例:IronWolf 4TB:5年保証、NAS対応振動センサー付きRed Plus 4TB:3年保証、静かで発熱も少ない※RAID1(ミラー)構成ならHDD2台同型必須。シングル運用であれば1台でも可能。DSMの初期セットアップ方法NASをLANケーブルでルータに接続し、電源ONPCから http://find.synology.com にアクセスし、自動検出DSM(OS)をインストール管理アカウントとNAS名を設定HDDの初期化とストレージプール設定Web Station・PHP・DB環境の構築パッケージセンターから以下をインストール:Web StationMariaDB 10(MySQL互換DB)PHP(推奨はPHP 8.x)Web Stationで仮想ホストの設定ドキュメントルートを「/web/wordpress」などに設定MariaDBでWordPress用データベースとユーザーを作成WordPressのインストールと初期設定WordPress公式サイトからzipをダウンロード/web/ 配下に「wordpress」フォルダを作成し、解凍したファイルをアップロードブラウザから http://NAS_IP/wordpress にアクセス初期設定画面でDB名、ユーザー、パスワードを入力サイトタイトル、管理者ユーザーなどを入力し、インストール完了外部公開の設定(セキュリティ配慮)ルータ側でHTTPポート(80番)とHTTPSポート(443番)を転送設定(ポートフォワーディング)固定IPがない場合は、Synology QuickConnectやDDNSで代替例:https://xxxx.synology.me/wordpress でアクセス可能にメディア大量保存・社内外アクセスのメリットWordPressのメディアフォルダに写真・動画を直接アップロード可能HDD容量次第で数TB〜数十TBの下書き・非公開データを保存可能NASユーザーアカウントに閲覧権限を割り当てれば、社外からも安全にアクセス可能コンテンツ作成者とレビュー担当者が離れていても、ファイルをリアルタイムに共有・管理可能ハードディスク選定:IronWolf vs WD Red Plus比較項目IronWolfWD Red Plus保証期間5年3年回転数7200rpm5400rpm耐久性高(常時稼働に最適)中(ホーム用途向け)静音性やや騒音あり非常に静か対応RAIDRAID, NAS最適化RAID, NAS最適化両者ともDSMとの相性もよく、どちらを選んでも問題ありませんが、稼働音を抑えたいならRed Plus、耐久性重視ならIronWolfをおすすめします。セキュリティ対策の実装DSMにログインして、以下を設定:管理画面2段階認証(OTP)外部アクセスのログ記録セキュリティアドバイザー実行WordPress側では:Loginizerなどのログイン制限プラグイン自動アップデートの有効化CloudflareなどのWAF連携も可能メリット・デメリット詳細メリット大量の動画・写真などをドラフト状態で保存できる自社完結のWordPress環境を構築でき、月額サーバー費用が不要DSMユーザー管理により社外からの安全なアクセス管理が可能RAID構成によりデータの冗長性と安全性を確保可能DSMのバックアップ機能により自動バックアップも容易デメリット初期設定がやや複雑(特にネットワークとセキュリティ)停電やHDD障害への備えが自己責任レンタルサーバーと比較するとアクセススピードや安定性はやや劣る自社管理のため、保守・監視の知識が必要まとめ:運用上の次ステップDS223jを活用したWordPress構築は、中長期的に見れば非常に経済的かつ柔軟なWebサイト運用方法です。特に、M&A情報発信や専門メディア、製品発表など、下書き段階で大量メディアを扱うチームにはうってつけです。ログイン制御と容量の両立を図りながら、低コストで内製環境を実現しましょう。必要に応じて、さらにセキュリティや高速化の設定(キャッシュ、CDN)など、次の段階に進めるとより安心な運用が可能です。※このガイドでは、IPアドレスやルータ設定の詳細は省略しています。セキュリティ保護のため、各環境に応じて慎重に設計してください。サーバやWordpressのセキュリティや運用に懸念がある場合はお気軽にご相談ください。 前の記事へ 次の記事へ